2022.08.24
back number 2022.8.24 昌和だより Vol.13 『鋼の原材料高騰から覗く、世界のエネルギー問題 その2
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昌和だより Vol.13 昌和発條/サンエスばね
8月24日『鋼の原材料価格の高騰から覗く、世界のエネルギー問題 その2』
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こんにちは!
昌和発條製作所の羽根田です!
昨日の配信では、鉄鉱石や鉄スクラップがなぜ高騰しているのか、
また、石炭の需要が高まっている背景には、中国が急進させた環境シフト政策、
”青空作戦”(石炭を抑制して国内の空気をきれいにする政策)が
関係しているというお話をさせて頂きました。
▼バックナンバー2022.8.23『鋼の原材料価格の高騰から覗く、世界のエネルギー問題 その1』▼
https://showa-spring.com/2022/08/1239/
でも青空作戦が順調に進んでいて中国が脱炭素化社会に向かっているのであれば、
石炭の需要は下がっていくのが普通ですよね?
では、なぜそうならなかったのか、なぜ中国はエネルギー不足に陥ってしまったのか。
今回はその核心に迫る話をしていきます。
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時を少しだけ遡り、2020年の年明けから春頃、新型コロナウイルスのパンデミックが発生。
感染拡大を抑制するための規制により経済活動が停止したことでエネルギーの消費が激減し、
電力会社等を含めたエネルギー企業は投資を削減。石炭産業は大きなダメージを受けました。
脱炭素社会の推進による未来の石炭の需要減少のリスクも垣間見える中、
多くの企業が石炭事業(利用、生産)から撤退を表明しました。
これにより石炭のサプライヤー(供給者)はライバルも少なくなり、
新規のサプライヤーからシェアを奪われるリスクが減少したので、
価格維持を優先するようなりました。
しかし、コロナ禍からいち早く中国は経済活動を再燃させたので、天然ガスの消費や供給に関しては、
”青空作戦”の推進も後押しして素早く回復しました。
そしてそのまま中国国内の消費電力は激増、石炭産業の供給力が元に戻らないまま
石炭による火力発電の需要が元通りになってしまいます。
また、中国で石炭火力に次ぐ発電能力を持つ水力発電の出力が渇水の影響などで例年より不足し、
需要がさらに高まってしまいます。石炭の価格はどんどん高騰していきます。
多くの石炭火力発電所は経営難に陥り、必要な量の石炭が調達出来なくなりました。
またオーストラリアとの関係悪化により共産党政権は豪州産石炭の輸入を停止しました。
インドネシアやロシア、モンゴルなどからの石炭調達を増やすことによって
火力発電などに必要な石炭を確保できると思ったのでしょう。
しかし、2021年夏、デルタ株の感染再拡大により世界各国のロックダウンや外出制限により
物流が寸断され、中国の石炭輸入は更に厳しくなりました。
こうした結果、去年の秋頃から中国は全国的な電力制限や計画停電を迫られました。
事態の重さから、10月に政府は、炭鉱の臨時増産を認める緊急措置を発動し、
それまで例年より遥かに低く推移していた石炭産出量は、
結果的に2020年を上回るほどになってしまいました。
さらに今年2022年、追い打ちをかけるようにロシアのウクライナ侵攻が始まり、
欧米諸国や日本等の先進国は経済制裁としてロシア産エネルギーの輸入削減、停止を急速に進めました。
特にロシアへの依存が特に高いヨーロッパ諸国も、ロシア産石炭の輸入停止、
ロシア産原油の原則輸入停止を決め、さらに脱ロシア産天然ガスを急速に進めました。
しかし、ロシア側が制裁措置への報復として欧州向け天然ガスの供給を大きく絞っていることから、
元々風力発電の不振や寒波等によりエネルギー不足が深刻だった欧州のそれが更に大きくなります。
(そもそもウクライナ侵攻の前から新築のパイプラインであるノルドストリーム2の
認可を巡った問題がありますが、その話は別の機会にでも…)
人々の生活や経済活動に大きな影響を与える可能性が高まりました。
天然ガスの多くをロシアからのパイプラインからの供給に依存してきた欧州諸国は、
LNGの貯蔵設備など関連設備が不足していることから、ロシア産天然ガスを
他国からのLNG調達で簡単に代替できる状況にはありません。
中国だけではなく、脱炭素化を気候変動対策として強く打ち出してきたドイツを始めとした欧米諸国も
電力確保に向けて、価格も天然ガスよりも安い石炭火力発電の稼働拡大を表明し、
皮肉にも脱炭素化に逆行して石炭に頼らざるを得なくなってしまったわけです。
他にも遡ればオーストラリアや南アフリカなどあらゆる地域で、
物流や天候に関連した悪因によって石炭や石油の供給や生産が停滞していたり、
世界各地でたくさんのことが重なってしまったそうで、
これらにより、過去に例を見ないほどの水準で石炭の需要が高まり、価格が高騰しており、
急騰の継続期間や世界的な広がりはかつてないとのことです。
長くなりましたが、鋼の原材料の高騰は、
同時に世界的なエネルギー問題に直結していて、
決して日本だけの問題ではないのです。
鋼の原材料だけではなく、自国でエネルギー源を調達できない日本には、
今後乗り越えなくてはいけない課題がたくさんありそうです…
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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