販売開始から40年以上。
日本を代表する標準ばねブランドへ
1960年(昭和35年)代後半から1970年(昭和45年)代にかけ、圧倒的な安さと品質の高さをウリとする日本製品が海外市場で需要を伸ばし、1970年(昭和45年)代後半に一般社会へとコンピューターが普及しはじめ、全てのモノづくりにおいて合理化、小型化が求められる時代へと突入しました。その背景で重要視されたのが、部品一つ一つのクオリティとコストです。
その目まぐるしい流れの中で、昌和発條製作所が誇る標準ブランド「サンエス」が誕生しました。
1964年(昭和39年)に創業して以来、丸線ばね、異形線ばね、フレキシブルシャフトなど、次々と多様な製品を手掛けるようになっていた昌和発條製作所は、ばねづくりのノウハウを蓄積し技術を高め、いつしかその品質の良さが多方面で高く評価されるようになっていた。その中で、フレキシブルシャフトの広告掲載をきっかけに取引が始まった総合商社・株式会社日伝から、ばねの標準化の話がもちかけられた。
1978年、昌和発條製作所は、「サンエス標準ばね」を開発しました。この「サンエス標準ばね」は、これまで用途や使われ方などから個別に形状・仕様を設計していたものを規格化することにより、安定した性能で豊富な種類のばねを、設計する人、技術者、使う人が手軽に購入できる画期的なものでした。この開発の裏では、規格決めをはじめとしたさまざまな課題があり、全社挙げての一大プロジェクトでした。製品実現は、昌和発條製作所が長年多くの引き合いに誠実に取り組み、顧客の求めるさまざまなご要望に対する実績を積み上げてきたからこその集大成として、発売という形で結実させることでできたのです。
そして翌1979年(昭和54年)、いよいよ「サンエス標準ばね」シリーズの製造販売を開始。当時、サンエスシリーズ第一弾のラインアップは、圧縮ばね134種、引張ばね52種、フリーサイズ24種(合計210種)。これがスタートでした。
その後、ばねの品種・材質を拡大して販売を強化しつづけ、1993年には886種まで増種。さらに1994年(平成6年)には標準フレックスシャフトを新たに標準シリーズに追加、2001年(平成13年)には、ねじりばねをシリーズに加えるとともに圧縮ばね、引張ばねをさらに追加増種しました。
発売開始からおよそ40年。現在、サンエス標準ばねシリーズは計1717種。何よりも品質の高さを誇り、多くの技術者や製造関係者から信頼を得てきました。だからこそ、日本を代表する標準ばねブランドとして今も圧倒的な知名度で広く親しまれているのです。
もちろん、規格化した標準ばね以外のいかなる形状のものでも「特注ばね」として製作できます。ご要望によって標準化された製品もあるほどで、「サンエス」を生み出した昌和発條製作所のばねづくりへの誠実さと確かな技術力が、サンエスブランドの信頼を裏付けています。